新しいAI・業務活用

Canva Brushで資料を直す。「ここだけ変えて」を仕事の指示にする

株式会社本質 · · 約4分

Canva Brush。資料の一部分を指定して編集する様子を表す本質のサムネイル

たとえば、来月の説明会に向けて、前回の案内資料を直す場面。開催日と会場を変え、見出しを少し大きくする。会社紹介や注意事項は承認済みなので、そのまま使いたい。欲しいのは、この修正を済ませた資料です。

こうした仕事に近いAIが、Canvaから登場しました。Canvaの公式研究一覧に10月30日付で掲載された「Canva Brush」は、デザインの構造を読み取り、指示に応じて編集するモデルです。

本質が注目するのは、出来上がった資料を更新する工程です。毎回最初から作る必要のない仕事で、変更する場所と残す内容をどう伝えるか。ここに、担当者がAIを使いこなす余地があります。

修正した後も、人が触れる

Canvaの説明では、Brushはコードを使ってデザイン要素を調整し、結果を見て次の編集へ進みます。文章や画像、配置などは、編集後もCanva上で人が変更できます。

発表時点では、Canva Proの利用者向けに、Canva AIで対応するデザイン編集を提供しています。既存のデザインを開くなどして、Canva AIの選択欄から「Brush」を選ぶ案内です。一方、Brand Kitへの対応や添付資料を参照する機能、画像の多いレイアウトへの改善は今後の取り組みとされています。会社のルールをすべて自動で守る機能として受け取るのは早そうです。

資料を仕上げる担当者にとっては、AIが直した後に文字や余白を手で調整できる点が役立ちそうです。最後の一か所まで会話だけで直そうとすると、説明に時間を使うこともあるでしょう。簡単に直せる箇所は自分で触る。この行き来を含めて仕事を組み立てたいところです。

「いい感じに」から、ページと変更箇所へ

先ほどの案内資料を、仮に8ページとします。次のような指示から試すと、結果を確かめる場所がはっきりします。

「1ページと8ページの開催日を12月10日、会場を第2会議室に変更してください。1ページの見出しは2行に収めてください。会社名、ロゴ、参加費、注意事項の文面は変更しないでください。」

これは本質が考えた試行用の例で、Brushでの成功を検証した指示文ではありません。指定外の箇所が必ず保たれるという意味でもありません。

それでも、この書き方には利点があります。担当者と確認者が、何を直す依頼だったかを共有できます。日付は変わったが会場は古いまま、見出しは収まったが参加費まで書き換わった、といった違いを、見た目の好みと分けて話せます。

「全体を今風にして」という依頼にも使い道はあります。ただ、提出前の修正と、次回に向けたデザイン案の検討は分けて進めたい。提出用の資料を広く作り替えるほど、確認し直す範囲も広がるためです。

先に日付と会場の変更を確認し、その後で表紙の見た目を検討する。案が気に入らなければ、日付だけを直した版を使う。こうして途中の版を残しておけば、別の案を試すときにも戻る場所があります。これはBrush固有の機能の説明ではなく、本質が勧める資料更新の進め方です。

確認者には、どこを直したかも渡す

修正が終わったら、完成版だけを確認者へ送るので十分でしょうか。

8ページの資料で2ページしか変えていなくても、変更内容が分からなければ、受け取る人は最初から読み直すことになります。「1・8ページの日付と会場、1ページの見出しを変更」と添えるだけでも、確認に入る手がかりになります。

もちろん、その記録は依頼した内容であって、実際に行われた変更の証明ではありません。作業者は変更前後を見比べ、指定した箇所に加えて、参加費や注意事項など残すはずの内容も確かめます。文字のはみ出しや改行は、配布するPDFや表示画面でも見ておきたい点です。

ここまでを含めて、小さく試すのがよいと考えます。まずは日付の差し替えがある案内資料など、正解を確かめやすい一種類を選ぶ。修正指示を書く時間、結果を見直す時間、確認者から戻ってくる修正を記録する。操作が減っても確認が増えるなら、依頼の範囲を狭めるか、手作業と組み合わせる余地があります。

当社では今回、日本語の実務資料を使ったBrushの編集精度や所要時間は検証していません。また、Canvaの一般向けヘルプでは、機能が見当たらない場合の要因として、契約プラン、管理者設定、言語・地域などを挙げています。試す前に自分の画面でBrushを選べるか確認してください。

既存資料を更新する担当者が覚えておきたいのは、「どこを変えて、どこを残すか」を言葉にすることです。その指示が、編集後の確認にも使えれば、AIを使う人と確認する人が同じ資料を見ながら仕事を進められます。

資料づくりを題材に、AIへの指示と確認の仕方を社内で揃えたい方は、本質のAI研修をご覧ください。